光のもとでⅡ
「嬉しくないわけじゃないです。でも、こんなにたくさんいただいてしまうとちょっと気が引けてしまって……」
 きっとお手伝いさんたちもそうだったに違いない。
「じゃぁ、私の誕生日に何かプレゼントをいただけないかしら?」
「誕生日……?」
「えぇ。十月の二十日なの」
「喜んでっ!」
 私は忘れないように携帯のカレンダーに書き込んだ。
「お洋服の趣味は合わなかったかしら?」
 雅さんは不安そうに尋ねてくる。
 私は改めていただいたプレゼントを見回し、
「いいえ、どれもすてきです。ワンピースの生地は私の好きなリネンだし、シンプルなデザインだから長く着られそうで嬉しいです。どれも嬉しいけれど、アンティーク調のアクセサリーやアンティークビーズが嬉しくて……」
「お母様のご実家がアンティーク家具店ですものね」
「はい」
 そんな話をしているところに料理が運ばれてきた。
 ご飯を食べているときは差し障りのない話をして、食後のお茶を飲み始めたころに話題が秋斗さんへ戻った。
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