光のもとでⅡ
翠はおずおずと手を伸ばし、俺の弁当箱を広げ始めた。
普段どんな話をしていたって、こんな話ばかりな気がする。体調がどうだとかご飯がどうだとか……。いや――基本、あまり会話はしていないのかもしれない。
昼休みに弁当を食べに行くからといって、何を話すでもなかった。目の前で翠が何かを口にする姿に安堵する。いわば、確認のようなもので……。
言葉を交わさなくても、目の届く場所にいてくれさえすればそれで良かった。それは俺が、という話で翠がどう思っているのかは知らないけれど。
考えれば考えるほどに謎は深まる。
ふたり共通の会話って――。
「最近秋兄に会った?」
口にして後悔。何も秋兄の話をしなくてもよかったはずだ。
咄嗟に思いついたのが秋兄だっただけだと思おうとしたものの、その時点で最悪を極めている。
すぐに出てくる話題がほかにないとわかれば、話題の乏しさを痛感せざるを得ない。追い討ちをかけるように、
「ほとんど毎日会ってるよ?」
翠の答えに瞠目した。
普段どんな話をしていたって、こんな話ばかりな気がする。体調がどうだとかご飯がどうだとか……。いや――基本、あまり会話はしていないのかもしれない。
昼休みに弁当を食べに行くからといって、何を話すでもなかった。目の前で翠が何かを口にする姿に安堵する。いわば、確認のようなもので……。
言葉を交わさなくても、目の届く場所にいてくれさえすればそれで良かった。それは俺が、という話で翠がどう思っているのかは知らないけれど。
考えれば考えるほどに謎は深まる。
ふたり共通の会話って――。
「最近秋兄に会った?」
口にして後悔。何も秋兄の話をしなくてもよかったはずだ。
咄嗟に思いついたのが秋兄だっただけだと思おうとしたものの、その時点で最悪を極めている。
すぐに出てくる話題がほかにないとわかれば、話題の乏しさを痛感せざるを得ない。追い討ちをかけるように、
「ほとんど毎日会ってるよ?」
翠の答えに瞠目した。