光のもとでⅡ
携帯を使って調べようとしたら、
「葉山動物園」
ツカサがぼそりと口にした。
携帯で検索をかけると、支倉で乗り換えて三駅目。そこからバスで二十分ほど行ったところにある動物園だった。
もしかしたら、ツカサは何度か行ったことがあるのかもしれない。
「じゃぁ、次はそこへ行こうね。次はなんのご褒美かな……」
宙を見上げると、「それ」とツカサに声をかけられた。
「それ」とは何を指すのだろう。
「デートに対する翠の認識が知りたいんだけど」
「え……?」
デートに対する私の認識……?
「……特別な日。ご褒美、プレゼント、お祝い?」
思いつくままに答えると、
「それ、改めて」
「え……?」
「特別な日はいいにしても、ご褒美とプレゼント、お祝いって何? 前にも言ったけど、プレゼントとデートを相殺しなくていいし、特別な何かがなくてもデートくらいするんだけど」
「……本当?」
「嘘つくようなことじゃないだろ」
そう言われてみればそうなのだけど――。
「なんだか嬉しい……」
そう言って笑うと、ツカサはぷい、とそっぽを向いた。でも、つながれた手はそのまま。
それが嬉しくて、私は頬が緩むのを感じていた。
「葉山動物園」
ツカサがぼそりと口にした。
携帯で検索をかけると、支倉で乗り換えて三駅目。そこからバスで二十分ほど行ったところにある動物園だった。
もしかしたら、ツカサは何度か行ったことがあるのかもしれない。
「じゃぁ、次はそこへ行こうね。次はなんのご褒美かな……」
宙を見上げると、「それ」とツカサに声をかけられた。
「それ」とは何を指すのだろう。
「デートに対する翠の認識が知りたいんだけど」
「え……?」
デートに対する私の認識……?
「……特別な日。ご褒美、プレゼント、お祝い?」
思いつくままに答えると、
「それ、改めて」
「え……?」
「特別な日はいいにしても、ご褒美とプレゼント、お祝いって何? 前にも言ったけど、プレゼントとデートを相殺しなくていいし、特別な何かがなくてもデートくらいするんだけど」
「……本当?」
「嘘つくようなことじゃないだろ」
そう言われてみればそうなのだけど――。
「なんだか嬉しい……」
そう言って笑うと、ツカサはぷい、とそっぽを向いた。でも、つながれた手はそのまま。
それが嬉しくて、私は頬が緩むのを感じていた。