光のもとでⅡ
「今は勘違いしてないよ。雅さんとお話をして、秋斗さんの好意を断ることが秋斗さん自身を拒絶することとはイコールにならないって理解したから。そしたら、何をこんなに悩んでいたのか、と思うくらい気持ちが楽になった」
 でも、私が悩んでいる間、ずっとツカサを不安にさせていたのだと思えば申し訳なさが募る。
 そろり、とツカサの顔をうかがい見ると、
「……それだけ?」
「……それだけ、ではないかな」
 でも、これを言うのは少し勇気がいる。
 全部話そうと思っていたけれど、この部分を話すことによって、もっと不安にさせてしまうのではないか、と思うから。
「全部話して」
 私はコクリと頷いた。
「ツカサは自分のことを信じられる?」
「……質問が漠然としすぎていて意味がわからないんだけど」
「……すごく単純な話。将来の夢を叶える自信があるか、とか。自分の気持ちを信じることができるか、とか。そういうこと」
「自分が自分を信じなかったら誰が信じてくれるのか知りたいんだけど」
 こういう質問に間髪容れずに応えられるツカサが好きで、羨ましくて憧れる。
「私は信じられなかったの。自分の気持ちに不安があったの」
 この先を続けることが苦しくて、気持ちに同調した足が少し震えて歩幅が狭まった。
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