光のもとでⅡ
デート当日、建物から出てきた翠は俺を視界に認め、嬉しそうな顔をした次の瞬間、歩みが少し鈍った。
幅三メートルの歩道をゆっくりと横断して、俺の目の前にたどり着いてももじもじとしている始末。
「お疲れ様」と声をかけると、
「迎えに来てくれてありがとう」
「どういたしまして」
どこかカチコチとした様に違和感を覚える。
「とりあえず、助手席にどうぞ」
ドアを開けて促すと、やっぱりカチコチとした動作でシートに収まった。
俺が運転席に収まり車を発進させても様子は変わらず。
緊張しているのが丸わかりなのだが、この場合、緊張するのは俺のほうではないだろうか。
「車、涼先生の?」
片言の質問に、「そう」と答える。
隣の翠は、浅い呼吸を繰り返し、
「なんだか緊張するねっ?」
「俺の運転が信用ならないってこと?」
「えっ!? そういうことじゃなくてっ――」
どうしててんぱっているのかがまったく理解できない。
翠は落ち着かない様子でこう続けた。
幅三メートルの歩道をゆっくりと横断して、俺の目の前にたどり着いてももじもじとしている始末。
「お疲れ様」と声をかけると、
「迎えに来てくれてありがとう」
「どういたしまして」
どこかカチコチとした様に違和感を覚える。
「とりあえず、助手席にどうぞ」
ドアを開けて促すと、やっぱりカチコチとした動作でシートに収まった。
俺が運転席に収まり車を発進させても様子は変わらず。
緊張しているのが丸わかりなのだが、この場合、緊張するのは俺のほうではないだろうか。
「車、涼先生の?」
片言の質問に、「そう」と答える。
隣の翠は、浅い呼吸を繰り返し、
「なんだか緊張するねっ?」
「俺の運転が信用ならないってこと?」
「えっ!? そういうことじゃなくてっ――」
どうしててんぱっているのかがまったく理解できない。
翠は落ち着かない様子でこう続けた。