光のもとでⅡ
誕生日には家族や親戚からプレゼントをもらうことはあっても、ほかの人間からプレゼントをもらうことはない。
今年は翠からもらえるのかと思えば、何をもらえるかは問題ではなく、翠に祝ってもらえることが特別に思えた。
……もし俺が、誕生日に何が欲しいかを尋ねたら、翠はなんと答えるのだろう……。
「……自分だってこれといったものは提示できないくせに」
そんな結論に至れば、ふ、と笑みが漏れた。
日付が変わろうとしたとき、携帯が着信を告げた。
「はい」
『あのっ――』
翠は電話をかけてくると、最初に名乗る癖がある。けれど、最近はそれをどうにか直そうとしているようだ。
前につんのめりそうな声に、
「翠?」
声をかけると、いつものようにこちらの状態を尋ねられた。即ち、今話していても大丈夫かどうか――。
今年は翠からもらえるのかと思えば、何をもらえるかは問題ではなく、翠に祝ってもらえることが特別に思えた。
……もし俺が、誕生日に何が欲しいかを尋ねたら、翠はなんと答えるのだろう……。
「……自分だってこれといったものは提示できないくせに」
そんな結論に至れば、ふ、と笑みが漏れた。
日付が変わろうとしたとき、携帯が着信を告げた。
「はい」
『あのっ――』
翠は電話をかけてくると、最初に名乗る癖がある。けれど、最近はそれをどうにか直そうとしているようだ。
前につんのめりそうな声に、
「翠?」
声をかけると、いつものようにこちらの状態を尋ねられた。即ち、今話していても大丈夫かどうか――。