光のもとでⅡ
 今日は生徒会の会計のみが図書室に集まっていた。
 各組から上がってくる、「初回申請書」が揃ったのだ。
 初回申請書は三年生たちだけで話し合って決められる。それが七枚揃って始めて、会計の仕事がスタートする。
 紅葉祭では各組、各部から上がってくる申請書を捌かなくてはいけなかったのに対し、紫苑祭では七枚のみ。そこに記された金額を精査して、ほぼ平均に近い金額を組の口座へと入金するところから始まる。
 追加申請されるものも紅葉祭よりは用途がシンプルでわかりやすいこともあり、審査に時間はかからない。ただし、追加申請した分は組の減点対象になってしまうというルールがある。
 また、生徒会へ追加申請するよりも、組間での資金援助を受けられるほうが減点ポイントが低くなるため、組間での駆け引きも存在する。当然、資金援助をした組には取り分け大きな加点が約束されている。
 紅葉祭と異なる部分はいくつかあるものの、特筆すべき点はこれだろう。
 紅葉祭では金銭が絡む駆け引きや減点が行われなかったのに対し、紫苑祭では駆け引きが存在し、さらには減点が生じる。そしてそれらの管理は会計職に一任されているのだ。
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