光のもとでⅡ
「各組男女別に三グループずつ形成して計六グループ。このグループでリレーをしてもらう。で、順位に応じてポイントを加算。また、優勝した組にはご褒美が用意されている」
 朝陽先輩の説明はこれで全部だろうか。
 これだけなら普通の競技と変わらないように思える。いったいどこに姫と王子が絡められるのだろう。
 疑問に思っていると、
「褒美って……?」
 胡散臭そうにツカサが口を挟んだ。すると、
「勝った組の人間を抽選で三人選んで、当選者には姫または王子と一緒にお弁当を食べられる権利を発行。それから、全校生徒へ発行するものとして、姫のチア姿、王子の長ラン姿のスチル写真をデジタルアルバムに収録することが決まってる」
「やですっ」
「ごめん被る」
「おふたりさん、ごめんね? これ、もう決定事項だから」
 優太先輩がにこりと笑って差し出したプログラムには、あらかじめ決まっている競技種目のほかに、姫と王子の権利取りリレーと記されていた。
 ふと思う。このプリントが印刷済みということは、すでに体育委員や紫苑祭実行委員に配布されたあとなのではないだろうか、と。
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