光のもとでⅡ
 至近距離で射抜かれるような視線を受け、少し怖いと思った。でも、胸を触る手は感触を堪能するように優しく触れるし、それと同時にされるキスは、とても甘やかなものに思えた。
 いつもとは違う感覚に戸惑いを抱いている間にツカサにぎゅっと抱きしめられ、ツカサの心音が耳に届くと自然と涙が頬を伝う。
 たぶん、いつものように抱きしめられてほっとしたのだ。
「いきなりで悪い……」
 そう思うならするな――そうは思ったけれど、どうしてか言えなかった。代わりに、
「ツカサ……やっぱり学校では嫌」
「……学校じゃなかったら?」
「…………」
「翠、学校じゃなかったら?」
「……ものすごく時々――ううん、ごく稀に……だったら」
 小さな声で答え、恥ずかしさのあまりに俯く。と、顎を掴まれちゅ、と唇にキスをされた。
 ……ねぇ、ツカサ。今のキスにはどんな意味があったのかな……。
 時々だけれど、キスじゃなくて言葉が欲しくなる。
 ツカサが何を考えているのか、何を思っているのか、言葉にして教えてもらいたくなる――。
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