光のもとでⅡ
 保健室を出ると、応援団が集まるグラウンドへと向かった。
 観覧席から赤組の様子をうかがっていると、私に気づいた風間先輩がみんなに休憩を言い渡して抜けてきてくれた。
「もう大丈夫?」
「はい。ご迷惑をおかけしてすみません……」
「急に倒れるからびっくりしたよ。ま、今日は暑かったし初めての屋外練習だったしね」
「本当にすみません……」
「いいよいいよ。あ、咄嗟に飛翔が頭かばってくれたから大丈夫だとは思うけど、頭痛かったりしない?」
「……大丈夫です」
「そう、なら良かった。ま、ちょっと座ろうか」
 言われて観覧席に腰を下ろすと、
「飛翔に聞いたんだけどさ、生徒会の会計の仕事、ほぼほぼ御園生さんに振られてるんだって? もしかして応援団と会計、衣装作りで結構負担になってたりする?」
 こういうとき、どう答えたらいいのかな。
 事実は負担になっている。けれども、すべては自分が引き受けたものなのだ。
「御園生さん、深呼吸」
 何を言われたのかと顔を上げると、
「ほら、吸って……吐いて……吸って……吐いて……」
 言われるままにそれらを繰り返すと、
「もう一度訊くよ。今、結構しんどい?」
 きっと、ここで虚勢を張るよりは認めてしまったほうがいいのだろう。そうしたら、何か打開策を考えてもらえるかもしれない。でも、それは甘えじゃないだろうか――間違いなく甘えだ。打開策は自分で考えるべきだ。
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