光のもとでⅡ
 ツカサは再度ため息をついた。
「会計職が手放せないなら、ほかの何かを手放せ」
 ほかの、もの……?
「ただし、優先すべきものがある以上、消去法になるけど」
 ツカサの言葉に嫌な予感を覚える。
「成績が下がるのは生徒会的に困る。だから、授業の予習復習はやめられない。次、翠がどうしても手放したくないものとして、会計職。残るは衣装作りと副団長任務。後者においてはすでに衣装作りが始まっている時点で放棄できず。つまり、最後に残るのは衣装作りなわけだけど――」
「無理っ。だって、私が作るって引き受けてしまったものだものっ」
「なら会計職を手放せ」
「それも無理……」
「少しは進展性のある意見をくれないか」
「だって……」
 衣装を誰かに任せるということは、ほかの人にしわ寄せが行くということだ。そんなことを認められるわけがない。
 あっという間に八方塞で、涙が目に滲む。すると、眼前にツカサの手が伸びてきた。
「……悪い、泣かせるために来たわけじゃないんだけど……」
 涙を拭われ、フルフルと頭を振る。
「翠、提案がある」
 今度は何を言われるのか、と構えていると、
「衣装作りを手放せ」
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