光のもとでⅡ
「だからっ――」
「話は最後まで聞け」
 最後、まで……?
「翠の衣装とハチマキは俺が作るから」
 え……?
「人に迷惑がかけられないとかその手のことを考えていたんだろ?」
 そうだけど……。
「なら、俺に任せればいい。それとも、そんなことも任せられない相手なわけ?」
 ……これはいったい何を問われているのだろう。
「翠の荷物を半分負うくらいなんてことはない。この先も付き合っていくのなら、そのくらいのことはできる間柄でいたいんだけど」
 思ってもみない申し出に、完全に虚をつかれていた。
「ツカサが作るの……?」
「何か問題でも?」
 問題問題問題問題――。
「長ランの内布やハチマキの生地には刺繍もしなくちゃいけないのよ?」
「だから?」
「……できるの?」
「母さんの趣味が刺繍。小さいころから見て育っているからスタンダードなステッチは粗方できると思う」
 その言葉に唖然とした。
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