光のもとでⅡ
食後は少し休み、七時半からダンスの練習を始めたところへツカサが帰宅した。
ツカサは手洗いうがいを済ませるとリビングへ顔を出し、何かに目を留め一直線にリビングを横断した。
ローテーブルの上に置かれていたスケッチブックを手に取ると、
「なんでスケッチブックが出てるのか知りたいんだけど……」
「え? 翠葉ちゃんに見せたからよ?」
「ツカサ、動物がとっても好きなのね? 絵もとっても上手でびっくりしちゃった」
ツカサは何を思ったのか、スケッチブックを部屋の隅へと追いやった。
恥ずかしかったのかな……? あんなに上手なのだから、そんなに恥ずかしがることないのに……。
真白さんがご飯の用意をすると、
「今日はね、翠葉ちゃんと一緒に作ったの。司のハンバーグは翠葉ちゃんが形成したのよ」
ツカサの前にハンバーグのプレートを差し出すと、ツカサはわかりやすく赤面した。そのツカサを見て私も赤面してしまう。
真白さん、わざわざ言わなくてもいいのに……。
もじもじしていると、クスクスと笑う涼先生に練習の続きを促された。
「一、二、三、二、二、三、三、二、三、四、二、三……御園生さん、ステップはきちんと踏めています。そんなに足元ばかり見なくても大丈夫ですよ」
その声に視線を上げようとするも、視線を上げたら私の好きな顔があるのだ。
本当に好きなのはツカサなのに、顔が同じ、というだけでこのうろたえよう。本人を前にどうしたらいいというのか。
「肘と腕はもう少し高めにキープします」
ツカサは手洗いうがいを済ませるとリビングへ顔を出し、何かに目を留め一直線にリビングを横断した。
ローテーブルの上に置かれていたスケッチブックを手に取ると、
「なんでスケッチブックが出てるのか知りたいんだけど……」
「え? 翠葉ちゃんに見せたからよ?」
「ツカサ、動物がとっても好きなのね? 絵もとっても上手でびっくりしちゃった」
ツカサは何を思ったのか、スケッチブックを部屋の隅へと追いやった。
恥ずかしかったのかな……? あんなに上手なのだから、そんなに恥ずかしがることないのに……。
真白さんがご飯の用意をすると、
「今日はね、翠葉ちゃんと一緒に作ったの。司のハンバーグは翠葉ちゃんが形成したのよ」
ツカサの前にハンバーグのプレートを差し出すと、ツカサはわかりやすく赤面した。そのツカサを見て私も赤面してしまう。
真白さん、わざわざ言わなくてもいいのに……。
もじもじしていると、クスクスと笑う涼先生に練習の続きを促された。
「一、二、三、二、二、三、三、二、三、四、二、三……御園生さん、ステップはきちんと踏めています。そんなに足元ばかり見なくても大丈夫ですよ」
その声に視線を上げようとするも、視線を上げたら私の好きな顔があるのだ。
本当に好きなのはツカサなのに、顔が同じ、というだけでこのうろたえよう。本人を前にどうしたらいいというのか。
「肘と腕はもう少し高めにキープします」