光のもとでⅡ
試験が終われば皆が全力で紫苑祭の練習に励む。
紅葉祭のときは「準備」だったものが、今は「練習」。それだけに肌で感じられるだけの覇気があった。
嬉しいことに、この頃は気候が涼しくなってきて、外での練習も過酷ではなくなっていた。身体を動かすみんなにとってはとても嬉しいことだろう。
そんなある日、放課後佐野くんに話かけられた。
「御園生、ダンスの調子はどう? ステップ覚えられた?」
「うん。ステップはもう問題なく踏めるようになった」
「じゃぁさ、そろそろ俺との練習に戻ってもらってもいい? さすがにぶっつけ本番ってわけにはいかないから」
「あ、ごめんっ」
「いや、いいんだけどさ。今日、簾条と海斗が練習するって言ってたから一緒にどうかと思って」
「了解、大丈夫」
ダンスは必ず二組以上で練習をするらしく、一度通して全員で踊り、次は一組ずつ踊って互いの悪い点を指摘しながら完成させていくという。それなら、今まで佐野くんの相手は誰がしていたのか――。
「あの男が翠葉を囲うものだから、私、一人二役していたのよ?」
桃華さんが口を尖らせ文句を言う。
「わ……ごめんなさいっ。全然知らなかったの」
「でしょうね。でも、今日からは一緒に練習できる。なんの問題もないわ。さ、まずは通して一曲踊りましょう」
CDプレーヤーから曲が流れてきたらパートナーと挨拶をして踊り始める。
紅葉祭のときは「準備」だったものが、今は「練習」。それだけに肌で感じられるだけの覇気があった。
嬉しいことに、この頃は気候が涼しくなってきて、外での練習も過酷ではなくなっていた。身体を動かすみんなにとってはとても嬉しいことだろう。
そんなある日、放課後佐野くんに話かけられた。
「御園生、ダンスの調子はどう? ステップ覚えられた?」
「うん。ステップはもう問題なく踏めるようになった」
「じゃぁさ、そろそろ俺との練習に戻ってもらってもいい? さすがにぶっつけ本番ってわけにはいかないから」
「あ、ごめんっ」
「いや、いいんだけどさ。今日、簾条と海斗が練習するって言ってたから一緒にどうかと思って」
「了解、大丈夫」
ダンスは必ず二組以上で練習をするらしく、一度通して全員で踊り、次は一組ずつ踊って互いの悪い点を指摘しながら完成させていくという。それなら、今まで佐野くんの相手は誰がしていたのか――。
「あの男が翠葉を囲うものだから、私、一人二役していたのよ?」
桃華さんが口を尖らせ文句を言う。
「わ……ごめんなさいっ。全然知らなかったの」
「でしょうね。でも、今日からは一緒に練習できる。なんの問題もないわ。さ、まずは通して一曲踊りましょう」
CDプレーヤーから曲が流れてきたらパートナーと挨拶をして踊り始める。