光のもとでⅡ
 私は手の甲で涙を拭い、
「あのね、私、あともう一度だけわがままを言うから」
 飛翔くんは眉間にしわを寄せた。そんな仕草もツカサとそっくり。
「来年の紅葉祭、中間考査までの作業はみんなでやるけれど、それ以降のリトルバンクに関する作業全般は私に任せてください」
「……はぁっ!? あんた、やっぱバカだろ? 紫苑祭と紅葉祭じゃ扱う金額の規模が違う。それわかって――」
「うん、わかってる。でも、去年もそうだったの。それに、私はそういう形じゃないと生徒会に携われないから」
 飛翔くんの眉間のしわがさらに深まる。けれども、そんな様には免疫だって抗体だって持っているのだ。
「先日ツカサが話したとおり、去年生徒会規約に準規約ができて、私が学校外で会計の仕事をすることが認められているの。だから、先に言っておくね。会計の総元締めやらせてもらいます」
 飛翔くんが呆気に取られているのをいいことに、私は更衣室へと向かって歩き始めた。
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