光のもとでⅡ
Side 司 02話
姫と王子の出し物を提示された数日後、応援団長になることを断り続けていたら、嵐が翠を持ち出した。
嵐に手を引かれて教室に入ってきた翠は、俺から少し離れた場所で嵐の話を聞いている。
「うちの組、まだ団長が決まってないの」
「えっ……? でも、もうほとんどの組が決まっているし、書類の提出も済んでいるんじゃ――」
「っていうか、ほぼほぼ決まってるんだけど、了承しないのよ……」
まとわりつくような視線を無視して窓の外を見ていると、
「もしかして、ツカサが推薦されていてそれを本人が了承しないとか、その手の話ですか……?」
「当たり」
「あの、もしかして……私に説得ができるとか思ってます?」
翠の声が上ずっていた。きっと、今頃苦笑を貼り付けているに違いない。
「お願いっ、助けてっ!」
「あの、全然お役に立てる気がしないのですが……」
「ここにいてくれるだけでもいいから!」
「はぁ……それだけでいいなら」
それだけでいいと言いながら、嵐は翠を俺の近くに立たせた。
「ツカサ、翠葉が誰の衣装作るか知ってる?」
今度はなんの話をしだしたのか、と視線を向けると、
「翠葉が誰の衣装作るか知ってるか、って訊いてんのっ!」
そんなの知るか。
何も答えずにいると嵐が痺れを切らした。
嵐に手を引かれて教室に入ってきた翠は、俺から少し離れた場所で嵐の話を聞いている。
「うちの組、まだ団長が決まってないの」
「えっ……? でも、もうほとんどの組が決まっているし、書類の提出も済んでいるんじゃ――」
「っていうか、ほぼほぼ決まってるんだけど、了承しないのよ……」
まとわりつくような視線を無視して窓の外を見ていると、
「もしかして、ツカサが推薦されていてそれを本人が了承しないとか、その手の話ですか……?」
「当たり」
「あの、もしかして……私に説得ができるとか思ってます?」
翠の声が上ずっていた。きっと、今頃苦笑を貼り付けているに違いない。
「お願いっ、助けてっ!」
「あの、全然お役に立てる気がしないのですが……」
「ここにいてくれるだけでもいいから!」
「はぁ……それだけでいいなら」
それだけでいいと言いながら、嵐は翠を俺の近くに立たせた。
「ツカサ、翠葉が誰の衣装作るか知ってる?」
今度はなんの話をしだしたのか、と視線を向けると、
「翠葉が誰の衣装作るか知ってるか、って訊いてんのっ!」
そんなの知るか。
何も答えずにいると嵐が痺れを切らした。