光のもとでⅡ
Side 司 04話
帰宅して、シャワーも夕飯も済ませ日課の勉強をしていると、携帯がメールを一通受信した。それは翠が会計の仕事を開始したことを知らせるメール。しかし――。
「九時十一分……?」
いつもなら九時ぴったりに開始するのに、珍しくタイムラグがあった。
ただ単に少し遅れただけなのだろうか。それとも、体調が関係しているのだろうか。
「行けばわかるか……」
翠に来るなと言われても、それを聞くつもりはない。このまま放置しておくつもりは毛頭なかった。
十時半前になって九階へ下りると、唯さんひとりに出迎えられた。
いつもなら唯さんの隣に並ぶ顔は廊下の先で呆然としている。そんな翠を待ち受けるべく翠の部屋へ入ると、
「リィー、司っち来たよー」
少しして、足取りの重い翠が戻ってきた。
翠はマグカップをローテーブルに置くと、
「来ないでって言ったのに……」
不服感たっぷりの視線とともに抗議の言葉。
「言われて来ないとでも思ったわけ?」
翠は苦々しく表情を歪めた。こんなことは去年もあったわけだから、いい加減俺の行動パターンくらいわかっていろ、と思わなくもない。
「あんな翠を見て放っておけるほど、翠に対して無関心じゃないんだけど」
翠ははっとしたように俺の顔を見た。
「あのあと、赤組に行って風間に話を聞いた」
翠はローテーブルに出ていたノートパソコンに手を伸ばし、自分の背後へと遠ざける。
「九時十一分……?」
いつもなら九時ぴったりに開始するのに、珍しくタイムラグがあった。
ただ単に少し遅れただけなのだろうか。それとも、体調が関係しているのだろうか。
「行けばわかるか……」
翠に来るなと言われても、それを聞くつもりはない。このまま放置しておくつもりは毛頭なかった。
十時半前になって九階へ下りると、唯さんひとりに出迎えられた。
いつもなら唯さんの隣に並ぶ顔は廊下の先で呆然としている。そんな翠を待ち受けるべく翠の部屋へ入ると、
「リィー、司っち来たよー」
少しして、足取りの重い翠が戻ってきた。
翠はマグカップをローテーブルに置くと、
「来ないでって言ったのに……」
不服感たっぷりの視線とともに抗議の言葉。
「言われて来ないとでも思ったわけ?」
翠は苦々しく表情を歪めた。こんなことは去年もあったわけだから、いい加減俺の行動パターンくらいわかっていろ、と思わなくもない。
「あんな翠を見て放っておけるほど、翠に対して無関心じゃないんだけど」
翠ははっとしたように俺の顔を見た。
「あのあと、赤組に行って風間に話を聞いた」
翠はローテーブルに出ていたノートパソコンに手を伸ばし、自分の背後へと遠ざける。