光のもとでⅡ
ただ、実際には意思の疎通ができていることのほうが少ないわけで……。
ポットに茶葉を入れケトルの電源を入れたところで翠の身体はフリーになる。それを見計らってキスをした。啄ばむようなキスを何度も。
カタン――と湯が沸いた音でキスは終了。
顔を赤らめた翠は、
「お茶、淹れるね」
と俺から離れて作業に戻る。
この瞬間、もう少しキスをしていたかった、と思うのも自分だけなのか――。
「翠……」
「ん?」
振り返った翠があまりにも嬉しそうな表情だったから、俺は何を問うでもなく「いや、いい」と疑問を胸にしまうことにした。
藤の会のあと、ギクシャクしてしまった関係を修復する際に「キスはして」と言われた。
それは「キスはしてもいい」という許可ではなく、「されたら嬉しい」という意味だったのだろうか。
今の翠の表情からは、そんな気がしてならない。なら――。
お茶を淹れ終えた翠に近寄り背を屈めると、翠は察したように目を閉じた。
キスをすれば、たどたどしい手が俺の腕に添えられる。そんな仕草ひとつが嬉しくて、俺は深く深く口付けた。
ポットに茶葉を入れケトルの電源を入れたところで翠の身体はフリーになる。それを見計らってキスをした。啄ばむようなキスを何度も。
カタン――と湯が沸いた音でキスは終了。
顔を赤らめた翠は、
「お茶、淹れるね」
と俺から離れて作業に戻る。
この瞬間、もう少しキスをしていたかった、と思うのも自分だけなのか――。
「翠……」
「ん?」
振り返った翠があまりにも嬉しそうな表情だったから、俺は何を問うでもなく「いや、いい」と疑問を胸にしまうことにした。
藤の会のあと、ギクシャクしてしまった関係を修復する際に「キスはして」と言われた。
それは「キスはしてもいい」という許可ではなく、「されたら嬉しい」という意味だったのだろうか。
今の翠の表情からは、そんな気がしてならない。なら――。
お茶を淹れ終えた翠に近寄り背を屈めると、翠は察したように目を閉じた。
キスをすれば、たどたどしい手が俺の腕に添えられる。そんな仕草ひとつが嬉しくて、俺は深く深く口付けた。