光のもとでⅡ
 更衣室で着替えを済ませてグラウンドへ下りると、そこには委員会ごとに分かれて人が集まっていた。
 始めに委員会ごとの集まりがあり、それが終わると生徒会が主体となって各委員会にインカムが配られる。
 生徒会と放送委員の二、三年はインカムの使い方を知っているけれど、実行委員や体育委員は使い方を知らないため、知っている人が知らない人たち数人を相手にレクチャーすることになっているのだ。
 それが終わると、ほとんどの人が本部のテントを建てたり競技に必要な道具を体育倉庫から運び出す。そんな中、私たち会計は電光掲示板に現時点の点数を表示させる準備を進めていた。
 現時点では黒組がトップ。次に青組、赤組と続き、白組がゼロ点スタートで、残りの組はマイナス点スタート。
 ツカサが掲示板に反映させようとしたそのとき、私はツカサの手を掴み制止した。
 怪訝な顔で説明を求められ、
「これ、表示させるのやめよう?」
「何言って――」
「マイナス点スタートだと士気が下がる組もあると思う。それなら、全組ゼロ点スタートにして、途中で準備期間に生じた加点減点を追加するほうがいいと思う」
 思いつきで口にした私に便乗してくれたのは優太先輩。
「翠葉ちゃんに賛成。飛翔はどう思う?」
「先だろうがあとだろうが、どっちにしろ反映させるわけだからどっちでもいいんじゃないですか?」
 実に飛翔くんらしい意見だ。
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