光のもとでⅡ
 徒競走が終われば全学年の女子が行う玉運び。
 この時間はパソコン三台を使ってひたすら徒競走のタイムを打ち込む。残りのひとりが玉運びの集計をするのだ。
 内訳は、私以外の三人が入力。私は玉運びの集計。
 私は隣の放送席から聞こえてくる順位をもとに集計しつつ、徒競走のタイムが書かれた手書きデータのコピーを見て暗算をしていた。
 解が出ては欄外に総合タイムと平均タイムを記入していく。玉運びが終わる頃、ツカサの入力が終わった。
「ツカサ、これ」
「あぁ、助かる」
 ツカサがエクセルに表示されるタイムと見合わせていく。と、飛翔くんの声が割り込んだ。
 どうやら飛翔くんの入力も終わったようだ。
「それ、なんですか」
 私は玉運びの集計表を確認をしながら、
「徒競走の総合タイム」
「は……?」
「だから、徒競走の総合タイムだよ」
「なんで?」
 この場合の「なんで」とは、どの部分にかかるのだろう。
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