光のもとでⅡ
 写真を撮られるのも苦手なら、引きつり笑いの自分の写真を持たれることにだって抵抗はある。
 かわいく写っている写真を持っていてほしいだなんてことは言わない。でも、引きつり笑いの写真はちょっと……。
 そんなことを考えていると、桃華さんに肩を叩かれた。
「翠葉、聞いてる?」
「えっ!?」
「飛鳥がクラス写真撮ってくれるって」
「あっ、はいっ」
 私は慌てて場所を移動した。

 お昼休憩が終わるとスムーズに色別パレードが始まった。
 パレードの順番は、現時点の最下位から始まる。
 どの組も、先頭に応援団長、応援団、そのあとにモニュメント、最後尾にチアリーダーという並びでトラックを回る。
 応援合戦の得点は生徒たちの投票で決まるため、今日明日は紅葉祭のとき投票に使われた機材が食堂と桜林館の出入り口に設置されている。
 それではみんなが自分の組に投票するのでは、と思ったけれど、そこはしっかりとルールが設けられていた。
 投票者は自分の組に投票することはできず、必ずほかの組を投票することになっているのだ。
 ほか、クラスを受け持たない先生や事務の人、用務員さんにも投票権はある。
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