光のもとでⅡ
 応援団においては全員が着ぐるみを着ている。
 男子高校生が着ぐるみを着ている様は少々奇妙に思えたけれど、ちまちまとした動きで拍子を刻む動きはコミカルでとてもかわいらしかった。
 白組の応援団は皆兵隊に扮していた。高さのある帽子をかぶり、腰には細長い剣を携え、応援合戦では剣技を使って拍子を刻む。
 刻む、というよりは、剣舞のようにも見えた。
 そんな白組のモニュメントは白を基調とした、煌びやかな洋風のお城だった。
 桃組のモニュメントは桃太郎。雉と猿、犬もしっかりと桃太郎の傍らにいる。それは応援団長と副団長の姿でもあった。しかし、副団長はふたりしか選出できないため、団長の肩には作り物の雉が乗っていて、それがなんともかわいい。
 法被姿の応援団はうちの組とかぶるけれど、背中にプリントされたものはうちの組のほうが格好いい気がする。
 紫組、青組の応援合戦が終われば赤組の番。
 うちの組のモニュメントは御神輿。
 赤組のモニュメント製作班には美術部と演劇部の人が多数いた。さらにはおじい様が宮大工という人がいて、より細部にこだわった御神輿ができあがった。
 チアリーダーの衣装と法被の背面には、書道部の人が書いた「祭り」という猛々しい文字がプリントされている。桃組の、かわいらしい桃の絵と比べると、格段に格好いいと思うのは身内目だろうか。
 黒い長ランを着ている私たちの内布は、光沢のある赤いシルク生地。そこに、生地の色が映えるよう、金糸で御神輿が刺繍されている。
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