光のもとでⅡ
トップでボックスにたどり着いた嵐子先輩は豪快にボックスへ手を突っ込み、ボックスを壊しそうな勢いで手を引き抜いた。そして、紙を開いた次の瞬間には頭を抱えてその場にしゃがみこむ。
「嵐子、何が書かれてたんだろ?」
優太先輩とふたり嵐子先輩を注視していると、嵐子先輩は何かを振りきるように立ち上がり、校庭を全速力で横切り始めた。
向かった先は、徒競走決勝戦に出る人が集まる場所。
「何が書いてあったんでしょう?」
「……校内で一番足が速い人、とか?」
それなら佐野くんが該当するだろう。しかし、嵐子先輩はツカサを連れ立って走りだした。
「……生徒会長、だったのかな?」
「それじゃ、あまりにも普通すぎて楽しくないですよね?」
借りるものにおいては実行委員が趣向を凝らしたものを設定されているはずなのだ。
優太先輩は少し考えてから、
「それってさ、俺たち生徒会メンバーからしてみたら、って話じゃない?」
「え? どういうことですか……?」
「司と日常的に接点のある人間にとってはどうってことのない内容でも、司と接点のない女の子にとっては嬉しい内容だと思わない?」
そう言われて納得してしまった。
「じゃあ、嵐子先輩が落胆して見えたのは――」
「私がこのくじ引いちゃってごめんなさい、ってところかな?」
優太先輩は「たはは」と笑って着順を紙に記し始めた。
「嵐子、何が書かれてたんだろ?」
優太先輩とふたり嵐子先輩を注視していると、嵐子先輩は何かを振りきるように立ち上がり、校庭を全速力で横切り始めた。
向かった先は、徒競走決勝戦に出る人が集まる場所。
「何が書いてあったんでしょう?」
「……校内で一番足が速い人、とか?」
それなら佐野くんが該当するだろう。しかし、嵐子先輩はツカサを連れ立って走りだした。
「……生徒会長、だったのかな?」
「それじゃ、あまりにも普通すぎて楽しくないですよね?」
借りるものにおいては実行委員が趣向を凝らしたものを設定されているはずなのだ。
優太先輩は少し考えてから、
「それってさ、俺たち生徒会メンバーからしてみたら、って話じゃない?」
「え? どういうことですか……?」
「司と日常的に接点のある人間にとってはどうってことのない内容でも、司と接点のない女の子にとっては嬉しい内容だと思わない?」
そう言われて納得してしまった。
「じゃあ、嵐子先輩が落胆して見えたのは――」
「私がこのくじ引いちゃってごめんなさい、ってところかな?」
優太先輩は「たはは」と笑って着順を紙に記し始めた。