光のもとでⅡ
Side 翠葉 07話
「あのっ、踊ります。踊るので、組にとってプラスになるペアを選出してください」
「……わかった。じゃ、ダンス対決ね」
風間先輩の言葉で話し合いが終わろうとしたそのとき、海斗くんが「はい」と手を挙げた。
「はい、海斗。手短にね」
風間先輩が応じると、
「あのさ、谷崎さんは翠葉のことだけが気になってるみたいだけど、ほかのペアは気にならないの?」
「……この学校で静音先輩以上に踊れる人なんて知りません。それに、風間先輩と藤宮先輩、簾条先輩は授業でのダンス評価がA評価だと知っていますし……」
含みある言葉尻と共に、谷崎さんは私を見た。
……成績、か――。
その言葉に私は納得した。
おそらく、イレギュラーな選出方法に納得ができず、さらには「成績」を持たない私を認めることはできなかったのだろう。
もしかしたら、ワルツメンバーを選出した日からずっと、呑み込もう呑み込もうとしてきたのかもしれない。それでも溜飲が下がることはなく今に至ったのか――。
なんとなくの想像はできたけれど、相反する思いがなくなるわけではない。
体育の授業に出られないのだから、「成績」がなくても仕方ないじゃない、と思う自分がいる――。
みんなにとっては数ある授業のひとつでしかないかもしれない。でも、私にとっては違う。
どんなに望んだところで体育の実技授業だけは参加することができないのだ。
でも、これは私の事情であって谷崎さんには関係のないこと。
「……わかった。じゃ、ダンス対決ね」
風間先輩の言葉で話し合いが終わろうとしたそのとき、海斗くんが「はい」と手を挙げた。
「はい、海斗。手短にね」
風間先輩が応じると、
「あのさ、谷崎さんは翠葉のことだけが気になってるみたいだけど、ほかのペアは気にならないの?」
「……この学校で静音先輩以上に踊れる人なんて知りません。それに、風間先輩と藤宮先輩、簾条先輩は授業でのダンス評価がA評価だと知っていますし……」
含みある言葉尻と共に、谷崎さんは私を見た。
……成績、か――。
その言葉に私は納得した。
おそらく、イレギュラーな選出方法に納得ができず、さらには「成績」を持たない私を認めることはできなかったのだろう。
もしかしたら、ワルツメンバーを選出した日からずっと、呑み込もう呑み込もうとしてきたのかもしれない。それでも溜飲が下がることはなく今に至ったのか――。
なんとなくの想像はできたけれど、相反する思いがなくなるわけではない。
体育の授業に出られないのだから、「成績」がなくても仕方ないじゃない、と思う自分がいる――。
みんなにとっては数ある授業のひとつでしかないかもしれない。でも、私にとっては違う。
どんなに望んだところで体育の実技授業だけは参加することができないのだ。
でも、これは私の事情であって谷崎さんには関係のないこと。