片恋シリーズ~鎌田公一編~
回想 02話
うちのクラスは三階にあり、校舎の真ん中あたりに位置するクラスから走り出て階段に向かう。
運動ができないという割に彼女は俊足だった。運動ができたなら、実はスポーツ万能なんじゃないか、と思うほどに。
彼女に追いついたのは一階昇降口に着いたところで。遅かった――彼女はひどく苦しそうにしゃがみこんでいた。
「御園生(みそのう)っ!?」
彼女は真っ青で、つられて自分も真っ青になってしまいそうだった。そこに運よく保健の先生が通りかかり、すぐに保健室へ運ばれたわけだけど……。
「この子、自律神経失調症なのよね。でも、この年の子にはよくあることだし、あまり神経質になることないんだけど。親御さんがわざわざ説明しにいらしたけど、こっちもこれを仕事としてるのだからもう少し信用してほしいものだわ」
運動ができないという割に彼女は俊足だった。運動ができたなら、実はスポーツ万能なんじゃないか、と思うほどに。
彼女に追いついたのは一階昇降口に着いたところで。遅かった――彼女はひどく苦しそうにしゃがみこんでいた。
「御園生(みそのう)っ!?」
彼女は真っ青で、つられて自分も真っ青になってしまいそうだった。そこに運よく保健の先生が通りかかり、すぐに保健室へ運ばれたわけだけど……。
「この子、自律神経失調症なのよね。でも、この年の子にはよくあることだし、あまり神経質になることないんだけど。親御さんがわざわざ説明しにいらしたけど、こっちもこれを仕事としてるのだからもう少し信用してほしいものだわ」