片恋シリーズ~鎌田公一編~
なんてことはない。夏を目前にデパート全体で「涼フェア」なるものを開催しているという。
ポスターには「涼」を感じられるようなアイテムがセンス良く鏤(ちりば)められており、その内のひとつにセンサーが働いた。
彼女の使う筆記用具についていたマークがポスターに刻印されていたのだ。
雑貨店の名前はウィステリアガーデン。
何か目的があって寄ったわけではないし、まさかそこで彼女と再会するとは思いもしなかった。
ショップに入り、片っ端から棚に並ぶものを眺めていった。そして、目についたものに手を伸ばしたとき、人の手とぶつかった。
「ごめんなさいっ」
発せられた声に耳を疑う。まさかと思いながら手の主を見ると、藤宮学園の制服を着た彼女が立っていた。
中学のときと何も変わらない。髪が一段と長くなっていること以外には何も変わりはなく、華奢で倒れてしまいそうな女の子。御園生翠葉(みそのうすいは)が立っていた。
ポスターには「涼」を感じられるようなアイテムがセンス良く鏤(ちりば)められており、その内のひとつにセンサーが働いた。
彼女の使う筆記用具についていたマークがポスターに刻印されていたのだ。
雑貨店の名前はウィステリアガーデン。
何か目的があって寄ったわけではないし、まさかそこで彼女と再会するとは思いもしなかった。
ショップに入り、片っ端から棚に並ぶものを眺めていった。そして、目についたものに手を伸ばしたとき、人の手とぶつかった。
「ごめんなさいっ」
発せられた声に耳を疑う。まさかと思いながら手の主を見ると、藤宮学園の制服を着た彼女が立っていた。
中学のときと何も変わらない。髪が一段と長くなっていること以外には何も変わりはなく、華奢で倒れてしまいそうな女の子。御園生翠葉(みそのうすいは)が立っていた。