片恋シリーズ~鎌田公一編~
「それなり、かな? 入りたくて入った高校だけど、勉強はやっぱりついていくのに四苦八苦」
 平静を装い、苦笑しながら正直なところを答えると、御園生が笑った。とても自然に。
 中学のときにはめったに見られなかった笑顔で、
「そうなんだ? 私も変わらないよ」
 色々と話したいことはあるのになかなか言葉にはできなくて、この機会を逃したらもうあとがない気がして、気づけば俺はこんなことを口走っていた。
「御園生っ、付き合ってほしい。一日でもいいからっ」
 言うと同時に身体から汗が噴出した。顔が赤いとかそういう次元じゃない。身体中が沸騰しそうだった。
 彼女は困惑気味に答える。
「あの……一日って今日だよね?」
 あれ? 俺、なんて言った? 一日が今日って何……?
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