片恋シリーズ~鎌田公一編~
部活が終わり着替えを済ませると、いつもは歩かないルートを歩く。
学校から十分ほど歩いたところにある寮へ向かって。
「桜並木ルートなんて春以来だねー?」
隣を歩くハルが無邪気にはしゃぐ。
普段は住宅街の中を走る国道に沿って十五分ほど歩くと駅に着く。が、この桜並木ルートは少々遠回りになるため、駅に向かうには倍以上の時間がかかるのだ。
しかし、寮までは七分ほどで着くし、人が六人横に並んで歩ける幅があるため、ぐだぐだ喋って歩くのにはもってこいだった。
夜七時を回ったというのに空はまだ明るく、外灯なしでも辺りを見渡すことができる。
「で? 気がそぞろだった理由は?」
話そうとは思っているし、観念もしてるわけだけど、いざ話すとなるとどこから話したらいいのかに悩む。
「まさか、俺のことを好きになっちゃいました、とかそういう話じゃないんでしょ?」
ハルらしくぶっ飛んだことを言う。けれど、少し頬が緩んで話しやすくなった気がした。
学校から十分ほど歩いたところにある寮へ向かって。
「桜並木ルートなんて春以来だねー?」
隣を歩くハルが無邪気にはしゃぐ。
普段は住宅街の中を走る国道に沿って十五分ほど歩くと駅に着く。が、この桜並木ルートは少々遠回りになるため、駅に向かうには倍以上の時間がかかるのだ。
しかし、寮までは七分ほどで着くし、人が六人横に並んで歩ける幅があるため、ぐだぐだ喋って歩くのにはもってこいだった。
夜七時を回ったというのに空はまだ明るく、外灯なしでも辺りを見渡すことができる。
「で? 気がそぞろだった理由は?」
話そうとは思っているし、観念もしてるわけだけど、いざ話すとなるとどこから話したらいいのかに悩む。
「まさか、俺のことを好きになっちゃいました、とかそういう話じゃないんでしょ?」
ハルらしくぶっ飛んだことを言う。けれど、少し頬が緩んで話しやすくなった気がした。