未定
恋というもの

私はいつから恋愛に対して臆病になったのだろうー。


「ご飯、かぁ…」

ランチタイムの休憩室。サンドイッチを頬張りながら、私は一人呟く。

" この間は楽しかったです。もしよろしければ今度、ご飯行きませんか? "

スマホの画面に写ったメールの送り主は、一週間前の飲み会、いわゆる合コンで知り合った相手。

確か、大手薬品メーカーの営業マンで年は三つ上の30歳。俳優の誰かに似てるって話で盛り上がったような…。

「何、ぼーっとしちゃって。」

食事も途中に記憶を遡っていると、同期の田辺真保(マホ)が入ってきて声をかけてくる。

「ご飯、誘われたんだけど。」

「え、誰に?」

「こないだの合コンで一緒だった、あのイケメン営業マン。」

「うっそ!」

手を洗っていた真保が、"イケメン"の言葉で勢いよく振り返る。


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