全部、抱きしめて
「オレは由里子のことが好きだよ。同じ想いだって分かった以上、手放したくない」

大瀬良さんの、“手放したくない”という言葉に胸が詰まりそうなくらい、嬉しかった。

「由里子のこと、関係を持ったあの日からずっと好きだった」

「え? そうなんですか?」

「そうだよ。じゃないと、毎週会わないだろ? 由里子にいつ告白しようか迷ってた」

大瀬良さんは続けてこう言った。

「もう一度言う。オレは由里子のことが好きだ。つき合って欲しい。つき合えないなら、オレのこと突き離してくれ」

大瀬良さんを突き離す?
そんなこと出来るハズがない。

それどころか、
あたしは大瀬良さんに抱きついていた。

「由里子の気持ち聞かせて」

「あたしも好きです。正直、少し怖い部分もあるけど、大瀬良さんを失いたくないです!」

そう。これが今の気持ちだ。


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