全部、抱きしめて
気になる気になる
紗江と別れたのは夜の8時半過ぎ。
旦那さんには、羽目を伸ばしてきていいよと言われてたみたいだけど、やっぱり子供のことが気になるらしく早々と解散した。
今夜は自分の住むアパートへ。
久しぶりに帰っきた我が家。
何も変わり映えしない。
って、当然だけど。(変わってたら怖いし)
「はぁー」
あたしはため息をつきながらクッショッンの上に座った。
テレビを付けていないせいか、一人でいる空間はとても静かだ。
まさかタケルが“お父さん”になっていたとは。
今日一番の衝撃。
だけど、ショックとかそいうことは全くない。
あたしに本当のことを言わなかったのは、事を大きくしたくなかったからだろう。