全部、抱きしめて
「ちょっと! 誰ですか? 大瀬良さんの事なれなれしく呼んだ女は」

「直也の知り合いなんじゃない?」

怒り口調のみさきちゃんに対して、あたしは冷静を装い言う。

そうだよ。
きっと、直也の知り合い...例えば同期とか。ここの会場にいてもおかしくないわけだし。

そう思う事にしよう。



その後、試合は直也のチームが順調に得点を重ねていき大差で圧勝した。

あたしは途中から興奮してきて、直也の事を呼んだ女の人の事は気にならなくなっていた。


「直也!」

試合終了後、2階から降りて直也の元へ。

「おっ。由里子見ててくれたか?」

「見てたよ〜。気持ちいいくらいシュート決めてたね」
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