全部、抱きしめて
穏やかに楽しく......なんて、一見簡単そうに見えるけど、男と女だもん。
何が起こるかなんて分からない。

パンッ!
あたしはもう一度手を合わせて、神様に願い事をした。




ーーそれから、あたしの願いが神様に届いたのか、穏やかに楽しく毎日が過ぎていき.....

寒い冬を越え、
暖かい春を越え、

直也と過ごす二度目の暑い暑い夏がやってきた。


「もうそろそろ花火上がるかな?」

「確か7時半からだったと思う」

あたしと直也はマンションのベランダに出て花火が上がるのを待っているところだ。

去年は直也と2人で公園まで見に行った花火を今年はベランダで見る事になるなんて思ってもみなかった。

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