全部、抱きしめて
「ーー結婚しようか?」

「へっ? けっきょっん?」

あたしはあまりの予想外の事にパニックになり、見事に噛んでしまった。

でも確かに“結婚”と、直也は口にした。

「来年は夫婦になって、花火を一緒に見たいとオレは思ってるから」

「......」

「突然でびっくりした? オレもこんな感じで言うつもりなかったんだけど、タイミング的に今のような気がして」

「......」

「由里子?」

どうしよう。
嬉し過ぎて言葉にならない。

「いきなり結婚とか困るよな。悪いな混乱させて」

ぶんぶんと首を横に振る。

あーっ! もう何か言わないと。
でも、まだ言葉に出来ない。

あたしは勢いよく直也に抱きついた。






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