全部、抱きしめて


お風呂場には、今日のお昼スーパーであたしが選んだボディーシャンプーが置いてある。早速使ってみた。

ピーチの香りがする。
肌もスベスベに潤っていくような気がする。

「今日しか使わないんだから、もっと使おう」

独り言を言いながら、更に量を増やして体を洗った。

頭も洗い終わり、浴槽に浸かっているとお風呂場のドアが開いた。

そこに立っていたのは、素っ裸の大瀬良さん。

「やっ...。何してるんですか?」

「何って、由里子と入ろうかと思って」

にっこりと笑顔を見せる大瀬良さん。

「あたしそんなの聞いてません!」

「どうせ一緒に入るの断るだろ? だか
言わなかったんだよ」

さらっとそう言って、大瀬良さんは頭を洗い始めた。
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