全部、抱きしめて
動揺していたせいか、玄関のドアを鍵なしで開けようとしていた。
「由里子、鍵」
大瀬良さんに言われて、気が付いたくらいだ。
鍵でドアを開けて、玄関先でタケルからの送り物を見るとーー。
香水、DVD、CD、漫画本。
見覚えのある物ばかり入っていた。
一枚、折りたたまれた紙が入っている。
タケルからの手紙だった。
《由里子がオレの家に置いていた物送るよ。これで全部だと思う。タケル》
何、この手紙...。
そっけない内容。事務的な感じがより悲しくする。
そんなにあたしの私物なんて要らない?
しかも、同じ市内に住んでて、わざわざ宅配ってのが更に悲しい。
「...っ」
涙が次から次と溢れてくる。
「由里子」
「由里子、鍵」
大瀬良さんに言われて、気が付いたくらいだ。
鍵でドアを開けて、玄関先でタケルからの送り物を見るとーー。
香水、DVD、CD、漫画本。
見覚えのある物ばかり入っていた。
一枚、折りたたまれた紙が入っている。
タケルからの手紙だった。
《由里子がオレの家に置いていた物送るよ。これで全部だと思う。タケル》
何、この手紙...。
そっけない内容。事務的な感じがより悲しくする。
そんなにあたしの私物なんて要らない?
しかも、同じ市内に住んでて、わざわざ宅配ってのが更に悲しい。
「...っ」
涙が次から次と溢れてくる。
「由里子」