全部、抱きしめて
「それは...」

「オレだったら、セフレが他の男とご飯食べに行くって聞いてもどうぞって感じだけどな」

「......」

「直也も同じだと思うよ。ただ、あいつ告白するタイミングが分かんないだけなんだって」

長谷部さんがクスクス笑っている。

「それに、直也って月曜日の朝顔合わせると、決まって一岡との話するんだぞ」

「えっ?」

「水族館行ったり、カラオケ行ったり、けっこうあっちこっち出かけてるんだろ?」

「はい...」

「全部オレに報告してくるんだよ」

全然知らなかった。
大瀬良さんが、あたしとどこかへ出かけた話をしてたなんて。

嬉しいような恥ずかしいような。
そんな感情が入り混じっている。
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