全部、抱きしめて
しかも前の奥さんまで、相当な美人だなんて...。
何だかショック。

長谷部さんは、大瀬良さんがあたしのことを好きみたいなこと言っていたけど違う気がしてきた。

面食いならあたしのことタイプじゃないもん。好きなわけない。

あー。気持ちがどんどん落ちていく。

やっぱり、あたしなんてセフレレベルな女に違いないや。

はぁ...と、ため息をついたその時、

「由里子さん、由里子さん」と、みさきちゃんがあたしの名前を連呼していることに気づいた。

「何?」

「朝礼終わりましたよ」

周りを見渡すと、みんなパソコンと向き合い仕事を始めていた。

起立しているのはあたしだけの状態だった。

うわーっ。
慌てて着席したのは言う間でもない。
< 97 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop