彼と彼女の関係£ ─To say love me─
また手を繋ぎ、シアターへと向かった。
公開から少し経っているせいか、人は少なく、わたし達の席はど真ん中だった。
席に座ると
「飲み物、はい。」
と差し出されたペットボトルは、さっきまで新が飲んでいたお茶。
(間接…キス……)
唇としているのに、なぜか間接なだけでもドキドキする。
「飲まないの?」
ペットボトルを片手にフリーズしている私を見て、聞いてきた。
「ううん!飲む飲む!」
ドキドキは収まらず……
でも、飲まなきゃ!
そう思って、ぐいっと一口飲んだ。
「…は、はい!
ありがとう」
ペットボトルを新に返した。