彼と彼女の関係£ ─To say love me─
シアターから出ると
「ごめん、ちょっとトイレ行っていい?」
「うん、いいよ!待ってるね」
そそくさと男子トイレに入っていった。
近くの壁に寄りかかる。
すると、突然
「ねぇ……一緒に遊ばない?」
と声をかけられた。
今時、こんな誘い方がまだあるのかと驚いた。
「すみません」
ごめんなさい、と言おうとした瞬間、後ろから新の声がきこえた。
「ちっ、なんだよ」
声をかけてきた人は、いらついていて、
私を
ドンッ
と押して、さっていった。
「きゃっ」
新にもたれかかった。
「あのやろう……
大丈夫?うめ。なにもされてない?」
顔は怖かったけれど、心配そうな声をしていた。