君 が い な い 日 。
映 画 。



それから毎日、学校の日は終わってすぐに向かい、土日は9時前に着いては閉店時間までずっと……。





暇な時はいつも考える。



もしあの日が夢で、君はまだ生きてるとして。


こうしてずっと待つ僕に、君は笑顔で言うんだろう。



「ごめんね、待った?」


変わらない笑顔に、心が温まる。



「ううん、今来た所。」


小さな僕の強がり。





理想だけじゃいやなんだ。



早く、現実に……。





「待ち人、来ないもんだねぇ。」

「……はい。」

声が聞こえて振り向くと店長さん。


「君が見たいと言ってた映画、今日で最後だよ。」

「そう、…ですか。」



君が見たいと言った映画。


早くしないと終わっちゃうよ。


だから早く、僕の元へ…。




それでも結局、理想は理想のまま。



君が来ることはなかった。





「あの、見ます。…映画。」

「そうか。じゃ、千円ね。」


「いや、あの……、二人分下さい。」

「……二千円ね。」

財布を取り出し、二人分払う。


もうすぐ始まるから劇場に入った。



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