【企】初恋アーチ【短】
「小坂さん、こんにちは。
俊也はクラスの仕事で遅れるのと
松本は生徒会室に用あるって遅れるみたいだよ。
池田くんはまだ来てないね」
「あっ、池田は今日サッカー部に出るって言ってました!」
「そうなんだね」
えへへー、と和んだ後に気づいたけど、
先輩と2人きりだー!!
うわ、なんか緊張する……!
「な、なにかやられてたんですか?」
とりあえず先輩が何か作業してるみたいだし、
それ手伝おうかな。
「うん、文化祭の発表について
いろいろ考えてたんだ」
先輩の手元をのぞくと
たくさん書き込まれていたノート。
「わぁ、すごい!
こんなにたくさん……。
私も一応考えては見たんですけど
ここまでちゃんと考えられなくて」
やっぱり先輩、
この文化祭に真剣なんだ。
「考えてくれたんだね、ありがとう!
そうやってさ、
小坂さんも一緒に取り組んでくれることが
嬉しいよ」
へにゃっとした笑顔を向けられて
胸が跳ね上がる。