恋はしょうがない。〜初めての夜〜 + Side Story ①&②
「あ、あったあった!これ、和彦のアルバム」
ニンマリと笑いながら、晶は真琴に手招きし、ベッドへと腰を下ろした。
真琴もまるで引き寄せられるように晶の隣に行き、アルバムを覗き込む。
アルバムのページをめくるごとに、まるで宝箱を開けるみたいに胸が高鳴ってくる。
小学生の頃の古庄。
運動会、一等でゴールテープを切る写真。今のような超越した存在感はなく、ごく普通の男の子のように見えるが、その表情は活発そうで元気そのもの、とても楽しそうに笑っている。
海でスイカ割りをする写真。
顔や全身を粉だらけにして、餅を丸める写真。
どの写真の笑顔もキラキラ輝いていて、素直にスクスク成長していったのが分かる。
そして今、飾ることなく、素直で優しい心の持ち主になって、古庄は真琴を愛するようになった。
愛しい人の生きてきた軌跡をたどることが、こんなにもドキドキしてときめくこととは、真琴は思いもしなかった。
中学生の時の学生服姿。野球に打ち込んだらしく、ユニフォームに身を包み、バットを握る写真もあった。
そして、高校生の古庄。ラグビーをしていたことは、真琴も知っているところで、試合などの写真がたくさんある。
でも、ラグビーをしている写真の中に、真琴は古庄を探せない。
まさか、本人が写ってない写真をアルバムに貼ったりはしないだろう…。
「……あの、このラグビーの写真。和彦さんはどこに写ってるんですか?」
愛しい人が分からないなんて、恥ずかしく思いながら、真琴は晶に尋ねてみる。