恋はしょうがない。〜初めての夜〜 + Side Story ①&②
ましてや、自分は……。
きっと、存在意義さえない“みそっかす”みたいに思われてるのだろうと、真琴は小さくなって消沈した。
「――その点、真琴ちゃんは可愛いね。多分、和彦の方から惚れたんだろう?」
晶の意外な言葉を聞いて、真琴は目を丸くして晶を見つめ返した。
「…和彦と私は姉弟だよ?多分、うちの両親も同じように思ってると思う。真琴ちゃんは特に、私の好みのタイプだ。あんまり可愛いから、キスくらいしたくなっちゃうな♡」
「は……!?」
意外を通り過ぎて、衝撃的な晶の言動に、真琴は驚きよりも唖然とする。
麗しい男性のような晶から、優しく見つめられて、そんなことを言われて…。
真琴の心臓は先ほどとは違った意味でドキドキと、不穏に脈打ちはじめた。
と言うより、晶は女だ。
…でも、女でも女性を好きになる人もいる…。
決して暑くはないのに、真琴の全身から汗が噴き出てくる。
目を白黒させながら、顔を青ざめさせて、真琴の思考はめまぐるしく回転した。
こんなベッドで、このまま晶の隣に腰掛けていてもいいのだろうか…?
突然真琴が体を硬くして、晶との間を少しを空けたことに気がついて、晶は面白そうに笑った。
「大丈夫。さすがに和彦の嫁さんに、手を出したりしないから」
「………」
真琴は固まって、返す言葉もなかった。
もし、古庄と結婚していなければ、手を出されて=キスされていたのだろうか…。
それに、晶はそんな風に、女の子に手を出したことがあるのだろうか………。