恋はしょうがない。〜初めての夜〜 + Side Story ①&②
「……私、お尻をペンペン叩かれたりするんですか…?!」
不安げに発せられた真琴の言葉に、今度は古庄の方が目を丸くした。
――ま、真琴…!そ…、そんな趣味があったのか…?!
そんなことが頭に過ると、古庄の鼓動がにわかに乱れてくる。
「だって、『お仕置き』って、小さい子にはそんな感じのことしますよね?」
真面目な真琴の言葉には、何も色っぽい他意は感じられず、古庄は自分の行き過ぎた勘ぐりが恥ずかしくなる。
「そうじゃなくて、これが『お仕置き』だ!」
と、古庄は自分の中の恥ずかしさを押し隠すように、真琴を布団の上で組み敷いた。
そして、有無を言わさず、その唇を唇で塞ぐ。
深く長いキスを交わして、古庄の唇が真琴の首筋から胸元をたどる反面、真琴の唇は戸惑いの声をあげた。
「…ちょ、ちょっと待ってください。今日はダメです」
止められて、古庄が不服そうに頭をもたげる。
「どうして?月一行事の日じゃないだろ?」
「だって…声…。聞かれてしまうかもしれないでしょう?」
真琴は自分の実家に行った時と、同じことを心配した。それを聞いて、古庄はその時のことを思い出す。
いつも、コトの最中に思わず漏れ出てくる真琴のか細い声は何とも言えず可愛いが、それ以上に、懸命にそれを堪えようとしていたその時の真琴は、どれだけ可愛かったことか。
あんな真琴をもう一度味わいたくて、古庄は行為を強行しようとする。