褪せない海







「遅い」




玄関に出ると、いつも通り不機嫌な幼なじみの姿があった



星野燈色




15歳。中学校3年生




あたしの幼なじみ




「まぁ…一回の遅刻くらい多めに見てよ」




そしてあたし、




城咲美依



15歳。中学校3年生





「お前は二回や三回どころじゃねーだろ」



「アハハ。バレた?」


「バレた?じゃねーよ。いくぞ美依」



「ラジャ」





こんなやりとりをしながらあたしと燈色は学校へ向かう




別に何事もなく普通の生活





そういうのが当たり前



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