天使が舞い降りる。



正直、小説を書くことが、こんなに楽しいことだとは思わなかった。


自分の想像した登場人物が、ストーリーが実現化していく。


まるで自分の中で、もうひとつの世界が生まれたような…


物語の登場人物たちはやがて意思を持ち、私の指ではなく自分たちで話を形成していく。だからキーボードをたたく私の手も止まらない。


それが楽しくて楽しくて仕方なかった。


物語も残り最終章。完結ボタンは押していないし、初めて小説を【非公開】から【公開】にしたのも最近だから、読者の数はまだ少ない。


だけど、たとえひとりでも、自分の小説を読んでもらえることは素直に嬉しかった。


今日で完結できるかな…


「涙ー!夏期テスト近いんだから、ちゃんと勉強しときなさいよー!」


一階から、母のそんな声が聞こえてきたけど…


耳に完全に蓋をして…物語の世界に入り込んだ私は、夢中でパソコンのキーをたたき始めた。









「ふわあ……」


次の日。


周りにたくさんの生徒がいるにも関わらず、大きな欠伸を醸し出しながら、私は学校の玄関で靴を履きかえていた。


眠い…








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