天使が舞い降りる。



たくさんのことをした。


鬼ごっこで遊具の周りをふたりでぐるぐる回ったり、かくれんぼをしたり……


草原では四葉のクローバーも探した。私はひとつも見つけられなかったのに、奏ちゃんは四葉のクローバーを3つも見つけて…


「るいお姉ちゃん、いっこあげる!」


「え、いいの?」


砂場ではふたりででっかい山を作って、最後に奏ちゃんが派手に壊して声を上げて笑った。


そしてまさかのハプニング。


子ども用の滑り台に私のお尻がはまって奏ちゃん大爆笑。遠くのベンチで、サイがフルフルと肩を揺らして笑っていたことに、私は気づかなかった。


半泣きの私の体を奏ちゃんが後ろから滑ってきて押してくれて……


ああ、もう絶対滑り台なんて乗んねえわ!!


と、軽く滑り台恐怖症。




バタバタしながらも、時間はあっという間に過ぎていき……気づくと空は、オレンジ色に染まっていた。







「楽しかったね!」


「うん!」


私たちは、サイとは反対側のベンチにふたりで座っていた。


私がそう言うと、奏ちゃんが満面の笑みで頷く。


私からは……遠くの向かい側のベンチでわたしたちを見てる、サイの姿が見える。


だけど、奏ちゃんには……やっぱり見えていないみたいで。







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