天使が舞い降りる。
「ほんと?」
奏ちゃんが、小さな手で私の手をギュッと握ってくる。
「うん。だから……一緒に、サイお兄ちゃんが帰ってくるの、待ってよう?」
「うん!」
小さな手を強く…強く握り返す。
「涙…」
背後から、サイの私の名を呼ぶ声が聞こえた。同時にそのときだった。
「奏ちゃーん!!」
「あっ、みっちゃん!」
奏ちゃんが、私の背後を見て笑顔を輝かせた。
彼女の視線をたどり、私も振り向くと……公園の出口のほうで、中年の女性と手をつないだ、奏ちゃんと同じくらいの年の女の子がこちらに手を振っている。
「みっちゃん、なにしてるのー?」
「ママと買い物に行ってたの!」
その子の母親が、こちら向かって小さく頭を下げたので、私もあわてて下げ返した。
奏ちゃんがベンチから降りて、その子のもとへと走り寄って行く。
幼稚園の……お友達かな?