天使が舞い降りる。



いつかきっと、真実を知るときは来る。それなのに……私は残酷なウソを、ある意味ついてしまった。


帰ってこないことがわかっているのに、『一緒に待とう』……


「わだ……っ、ひど……こっ……いっ……ううっ……かなあ!?」


「えっ、ごめん!何語!?」


泣きすぎて、呂律がうまくまわってくれない。


「わたしひどいこと……うううっ……奏ちゃんに!言っちゃったかなあ!?」


あんなに、まだ小さいのに……大好きな人を亡くしてしまった、奏ちゃんの気持ち。真実を知ってしまったときの、哀しみに歪む奏ちゃんの顔……。


数年後、奏ちゃんは私を恨むだろうか…?ウソをついてしまった私を……憎むだろうか?


「涙……」


サイが足を止めてこちらを振り返る。


「そんな泣くなよ」


頭に優しい何かが触れた。


「オレ、嬉しかったよ?あんなに楽しそうな奏の顔、すげえ久々に見た。誰のおかげだと思う?」


「ううう……」


「滑り台でケツハマらせて、今オレの目の前ですげえ顔して大泣きしてる女のおかげ」


「褒めるのかけなすのかどっちかにしなさいよ~!!」






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